正義の歪曲

“La Deformazione della Giustizia” =『正義の歪曲』(2’11”)

 

・・・・・(作曲編曲、絵、解説)阿呆丸 ・・・・・

No.2 同様に同様に、国家主権を掌握している上層部周辺、或いはそれに対峙している暗躍組織の指導者達、彼等が異口同音に唱える美辞麗句が『正義』である。

各々の宗教やイデオロギーに基づいた『正義』とやらは民衆の陶酔を伴った喚起にも後押しされ、一層秩序を強固にし、その方向性や方法論が如何に非人道的であれ行為を行使出来得る『歪曲された正義』と云う一種の『狂気』にまで成長してしまう。

しかし、世界には人間の数だけの『正義』は存在している。殊に芥川龍之介に代表される文人達が迷っていたように、常に言葉には二つの意味が相反しながら共存している構造にも留意すべきではなかろうか?。

異なった風土の人間関係に在っては、民族や慣習、宗教やイデオロギーの相違に基づいて、時として『美』は『醜』に他ならず『善』は『悪』に他ならない。

絶対的善悪が罷り通る幼児向き短絡的アニメ観に安住するのでは無く、今一度現実に目を向けて、人間の存在、殊に共存の難解さを顧みる時ではなかろうか?