『サラスヴァティー』
・・・・・(書、背景画、音楽、構成、解説)阿呆丸 ・・・・・
インドのベナレス近郊アラハバードは、ガンジス川とヤムナ川の合流地点として著名な聖地の一つである。が、地元の船頭は言う。「目には見えないが、此の地下にはもう一つの川『サラスヴァティー川』が流れているのだ」と・・・。
元来、インドのアニミズムとして川の女神であったサラスヴァティーは、ヒンズー教の勃興でヒンズーの神として取り込まれ、ネパールや中国を経て仏教と共に日本へと伝来し、その名を『弁財天』と変えた。
本地垂迹に基づいて、日本伝統の『神道』や日本古来のアニミズム、或いは山伏等の山岳信仰等と融合したものの、古来の音楽の女神としての役割はそのまま現在へと継承されている。
阿呆丸は、アラハバードの風景を背景として、サラスヴァティーの象徴である孔雀の羽を描いた。そして、梵字で『弁財天』と記した。